土曜日

終わるために生まれた命を抱えて

わたしはどう生きていけばいいのだろう

明日、この心臓が止まらないとも限らない

偶然に偶然を重ねたこの灯火を

どこへ持っていけばいいのだろう

 

わたしはこんなにも終わることが怖いのに

普通の人たちは死を恐れないんだって

地震が、水害が、交通事故が、殺人事件が…

他人の死に怯えて動けないわたしを誰もわかってくれない

でもたぶん、普通の人たちは、

じぶんは大丈夫だとか まだ先のことだとか

そういう心構えでいるのだと思う

そしてそれが正解なのだ

幻に怯えて動けなくなっても時間は進み

絶対的な終わりが近づいてくる

それならば

楽しいことを考えながら終わりを待つのがいい

 

普通の人は賢い

わたしはまだ、眠れない夜にいる