日曜日

某アイドルゲームをやめた

ずっと思うところがあって、それでも

たったひとり大好きなアイドルがいたから

まだあまり目立っていないけれど

いつかボイスが実装されてじぶんの歌を歌って

他のアイドルと仲良く喋ってイベントに出る機会が増えて

ゲームをつけたらホーム画面から元気な声が聞こえてくる

そんな未来を夢見てた

 

でもそんな未来をつくる暇なんて向こうにはないみたい

わたしが頑張っても アイドルが頑張っても

だめみたい

そうみたい

 

 

 

こんな辛い気持ちになるなら好きにならなければよかった

 

金曜日

 明けましておめでとうございます

と、親の声に定型文を重ねて親戚から逃げ隠れていたのが

いつの間にか姿を晒して挨拶ができるようになって久しく

お酒はいまでも飲めないけれど

歳をとるってこういうことなんでしょう

 

さて、挨拶など済ませて新年四日目ともなると誰とも会いたくないわけです

既に痩せたこころを肥やすべく、好きなことをする

そういった正月太りはどんどんしていきたいもんです

 

今年もよろしくね

土曜日

終わるために生まれた命を抱えて

わたしはどう生きていけばいいのだろう

明日、この心臓が止まらないとも限らない

偶然に偶然を重ねたこの灯火を

どこへ持っていけばいいのだろう

 

わたしはこんなにも終わることが怖いのに

普通の人たちは死を恐れないんだって

地震が、水害が、交通事故が、殺人事件が…

他人の死に怯えて動けないわたしを誰もわかってくれない

でもたぶん、普通の人たちは、

じぶんは大丈夫だとか まだ先のことだとか

そういう心構えでいるのだと思う

そしてそれが正解なのだ

幻に怯えて動けなくなっても時間は進み

絶対的な終わりが近づいてくる

それならば

楽しいことを考えながら終わりを待つのがいい

 

普通の人は賢い

わたしはまだ、眠れない夜にいる

月曜日

昔からじぶんの髪型に頓着することがなかったんです

長くなれば切る それだけでした

細かいことは美容師さんの提案に相槌を打つばかり

容姿がコンプレックスだもんで

そういうところにこだわりを持つのが恥ずかしかった

 

そんなじぶんがどうしたことか

美容師さんにスマホでモデルさんの写真を見せて

「こんな髪型にしてください」

と言ったんですね

 

いつもより時間をかけて切ってもらって

鏡にうつったじぶんを見ると

似合うとか似合わないとかは置いといて

明るい気持ちになったんです

いいじゃんって

 

じぶんで選ぶって気持ちのいいことなんだなって

そう思いました

相変わらず洒落っ気はないですけれど

木曜日

今はですね よくない時期なんですよ

ちょっとしたことでイライラしたり

趣味が楽しめなかったり

散々なんですよ

 

どうしようもなくって

寝ちゃえと思って

ビックリするくらい早寝したら

とんでもない悪夢を見てしまうし

勝手に涙が出てくるし

 

こういうときってー

何をするのが正解なんでしょう

好きなものにも腹が立って

きらいなものには頭が爆ぜそうになって

八方ふさがり

 

二十年生きてきて

こんなときの対処法がわからないなんて

大人じゃないなー

月曜日

台風がきてます きてますよ

じぶんのとこはそんなにですけど

 

強い風は昔から怖くて

今では強い雨も不安になります

すぐ溢れますから

 

台風でハイな気分になる人がいても

やはり災害ですので

台風で学校が休みになったあの日も

街並みが吹き荒れ 作物が傷つき

困り果てた人たちの顔をテレビ越しに見るのが憂鬱で

冗談でも台風が来ないかな(それで休校にならないかな)とは

思えませんでした

 

そんな感傷にひたっていると

インフルエンザで学級閉鎖になることを担任の先生の前で喜んで

お叱りを受けていた顔のない男子が頭をよぎるのでした

 

みんなほどほどにいい天気であれ

土曜日

花火を見ていました

サンダルをひっかけて 階段を少しのぼって

去年の人いきれと 500円のコーラと 気さくなおばさんと

木々の隙間から見えた光を思い出しながら

 

花火を鮮明にする黒煙はあたりの空を覆うのに

わたしがいる真上の空は星がキラキラで

どっちの光もきれい

 

わたしはこの位置で十分でした

人ごみは年々身を削ります